書評にチャレンジです。
伊集院静著『別れる力 大人の流儀3』
(講談社 2012/12/10)
伊集院静という一人の大人の男のエッセイ集。
特に人やもの、思いなどとの「別れ」を題材としたものが集められている。
弟を亡くし、妻を亡くし、友人を亡くし、多くの「別れ」を経験したからであろう語り口は非常に興味深い。
ただ、フェミニストの方々が見たらカンカンになるような表記が多く見受けられる。
彼は自らを「大人の男」という。
「大人」ではなく「大人の男」という表現は時代錯誤であろうし、今の世の中ではなかなか受け入れられるものではない。
しかしそういったものを排しても彼の表現には多くの部分で感銘を受けることがあった。
「若者がグリーン車に乗るなばか者!!」
「女子どもがすし屋のカウンターに座るな!!」
「成金は金で動くからずっとそこに座れないんだ」
ある種、痛快で、ある意味言い過ぎな感もあるが、私はどうしても嫌いになれない。
不景気ならばもっと働け!という文言はもっともであろう。
私も現在通っている大学で同じようなことを思うことがある。
自らの稼いだお金ではない、ぬるま湯につかって生きてきた人生であろう学生が、ハタチも近いのにべらべらと偉そうなことをいう。そしてそういった輩に限って感謝の言葉が言えない。
私自身、温室で両親にこれでもかと護られて生きてきた。
だからこそ彼らの言うことも分かるし、それが大きな間違いであることも分かる。
失敗も、成功も、酒も、博打も、すべてひっくるめて自らの人生として認め、それを糧とする。
いや、糧としなくとも、自らの人生として認め、進んでいく。
私もいつか、いっちょまえの「大人の男」になってみたいものだと感じた。
さ、テスト勉強の続き続き
酒どころか読書も我慢できなかったようだ。
返信削除できない自分がそこにいました…。
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